見下される要因としてびくびくしてしまうという性格があります。
これは改めて言わなくても、思い当たる人は多いでしょう。
例えば…
・怖い人と会話の途中に目が合うとつい逸らしてしまう
・相手に話しかけられるたびにドキッとしてしまう
・そばにいる相手が不機嫌だと気持ちが落ち着かない
このように何も悪いことをしていなくてもびくびくしてしまう。
それならまだしも、いじられキャラの場合はそのリアクションを面白がって真似されたり、わざとビビらされることもあります。
そんな自分が情けなく感じてしまう。
しかし、直そうと思っても中々直らない。
そして「なんでこんな程度でびくびくするんだよ!」と自分を責めてしまう。
しかし、直そうと思っても中々….。
このような負のスパイラルに陥ってしまうのです。
ビクビクしてしまうのは仕方がない
ビクビクするのは反応、つまり「条件反射」です。
条件反射とは後天的に獲得する反射のことをいいます。
それを証明する、パブロフの犬という有名な実験があります。
犬に「餌を与える前にベルを鳴らす」と言う行動を繰り返したところ、その犬はベルを鳴らしただけで涎を垂らしたという結果になったそうです。
人間でも、酸っぱい梅干しを想像しただけで唾液が分泌されると言うことがありますよね。
それは梅干しを小さな頃に食べて酸っぱい思いをした経験があるからです。
ビクビクするのも、まさにビクビクせざるを得ない状況を経験した結果なのです。
見下される人の中には、理不尽な親や友人関係に囲まれて育った人も多いと思います。
つまり、知らずのうちに「ビクビクする」ことを反復するように学習してしまった。
その条件反射は意思の力だけではどうにもなりません。
故に、ビクビクするのは仕方がないことなのです。
梅干しを想像して唾液が分泌して「なんで唾液が出るんだ!」と自分を責めることはなかなかしないでしょう。
また、責めたところで唾液が引っ込むことはないでしょう。
反射による行動は癖が強いほど直すのは大変です。
よって、反応してしまうのは仕方ないので、自分を責める必要はこれっぽっちもないのです。
「びくびくしない」ためにやってはいけない2点
「びくびくしない自分になろう」とした時、次のパターンに陥ってしまう場合があります。
①びくびくするたびに自分を責めてしまう
「びくびくしない」ことを目標にするとびくびくするたびに思い通りにいかず、つい自分を責めてしまいます。
これは先ほどの項で述べたとおりですので、詳細は割愛します。
補足をすると、小さい頃から見下されてきた人の中には「自分を責める癖」が強くついてしまっている人がいます。
そのため、まずは
「責めたところで解決するのか」
ということを冷静に、論理的に考えてみてください。
責めたところで変わらないということに気付いてください。
もちろん、責めてしまった自分を責めないように注意してください(苦笑)
②何でもかんでもびくびくしないようにしようと考えてしまう
「どんなことにもびくびくしない自分になる」と、極端すぎる理想を抱いてしまうことがあります。
それは見下されることに悩む人は生真面目な人が多いからです。
しかし、びっくりすることは誰にだってあります。
物騒な話ですが、隣の人からいきなり怒鳴られたり暴力を振るわれかけたら誰だってビックリするでしょう。
冷静に対処できる人の方が少ないのではないでしょうか。
まずは
完全にびくびくしない自分を目指さない
と意識することが重要です。
「ありのまま」を抱えて生きる
びくびくしてしまうことに対する対処法として、よく紹介されるのは
・自信をつける
・ありのままの自分でいいと認める。
といったものがあります。
確かにびくびくしないためには重要な要素だと私も思います。
こういう話を聞いた時、多くの人は
「びくびくすることが少ない、自信のある心の強い自分」
を想像すると思います。
しかし、これは矛盾しています。
なぜならば、「ありのままの自分でいい」ということであれば、「びくびくしている」「自信がない」自分も「ありのまま」だからです。
あなたは今「びくびくしてしまう自分」を情けないと否定しているのかもしれません。
だから、直したいと考えこの記事を読んでいただけていると思います。
でも、ありのままの自分を認めることでびくびくしない自分を手に入れたいのであれば。
結果的に「びくびくして情けない自分」を無視することはできません。
すなわち「自分の弱い部分」を見なければいけないプロセスは必ずあるということ。
「でもそんな私、受け入れられません…」
と思うかもしれません。
そんな時、私は「受け入れる」のではなく「抱えて生きていく覚悟を決める」方が良いのではないかと考えています。
この詳細は、過去の記事「ありのままでいいのか?」という記事を参照してください。
「受け入れる」というと、どうしても嫌な自分を無理に肯定しているようなニュアンスに聞こえるかもしれません。
でも、「びくびくする」自分がどうしても受け入れられなくて抵抗がある。
情けないと思う。
であれば。
そんな自分の嫌な部分もおんぶしながら生きていくと覚悟するのです。
「びくびくしてしまう」ことに情けなさを感じてしまうのであれば、その感情を否定する必要はありません。
覚悟したところで、側から見て今までと変わらないかもしれません。
しかし、そんな自分を意識しながら抱えて生きづつけた時。
びくびくする自分に対する向き合い方が少しずつ変わっていきます。
それは今まで情けない自分にただただ悲観していたあの頃とは違います。
その時あなたは、自分だけがもつその「強さ」に気付き、心の中に小さな自信が芽吹くことでしょう。