日常が楽しめない「負けず嫌い心」
プライドが高いことに悩む人の中には、非常に強い「負けず嫌い心」を持っている人がいます。
もちろん、負けず嫌いの気持ちは誰でも持っているし、ある程度必要なものです。
ただ非常に強い「負けず嫌い心」を持つ人は、日常生活に影響が出てしまうほど強いハングリー精神を持ち合わせています。
ただのゲームでも、少しでも負けると悔しさのあまりひどく不機嫌になってしまう。
子供の頃、相手より何か負けていると感じると負の感情を振り撒き相手に迷惑をかけてしまった。
日常のあらゆる事柄を競争にする。
勝つまで自分が許せない。
周りも驚き、面倒くさがり不快な気分になってしまう。
そして嫌われてしまう…。
せっかくの楽しいゲームや友人との付き合いが自分のせいで台無しになってしまった…。
日常生活を楽しめず、周りからは責められざるを得ず、二重の苦しみを経験することになってしまうのです。
そんな厄介な「負けず嫌い心」とどうやって付き合っていけば良いのでしょうか?
「勝ちたい勝負」を見極める
まず大事なのは
「諦めたい基準」
と
「できるならば得たい基準」
を頭の中で分別していくことです。
ここでいう「基準」とは、勝敗の基準です。
世の中には色んな競争の基準がありますよね。
小さな頃は、持っているゲームの数やかけっこの速さ。
中学生になれば、テストの点数・背の高さ。
大人になっていくと、コミュニケーション力、恋人の人数や年収、配偶者の有無、学歴、キャリア…
負けず嫌いな人は、この様々な競争の基準を出来るだけ多くクリアしていこうとしてしまっているのかもしれません。
もしくは、なんとなく
「この競争に勝つのは無理だろう…」
と曖昧に思っていてもどこか諦める決心がつかなかったり、挑戦するべきか迷っているのかもしれません。
よって、あらゆる勝負の基準において「これは諦めよう」と「これだけは勝ちたいな」をしっかりとあらかじめ分けていく作業が必要となっていきます。
本当に勝ちたいのか見極める
しかし「諦めよう」と思っていても、諦めきれないこともあるでしょう。
ここでもう1つチェックすることがあります。
「その基準は本当に得たい基準なのか」
という点です。
例えば、あなたは恋人が欲しいとします。
頭の中では、あなたは
「1人だと寂しい…恋人が欲しい…」
と主張しています。
頭ではそう思っているけど、本当にそうなのか?と疑ってみる。
他人に自慢したいためではないか?
世間から恥ずかしいと思われたくないからではないか?
もちろん「1人だと寂しいから欲しい」という気持ちが全く嘘なわけではないでしょう。
しかし、その気持ちの中に見栄や虚栄心が入ってしまっているかもしれません。
このように、あなたの欲しいものに関して頭では正当な理由を主張していても、実は負けず嫌いな心が働いている可能性があります。
そこをチェックし、その基準を「諦めるの」か「挑戦する」のかを分けていくとよいでしょう。
「負けず嫌い心」を刺激する場所から距離を置こう
自分の超えたい/超えるのを諦めた基準が決まったら、次は周りの環境を整えていきます。
あなたの周りに、やたらと自慢をしてきたり、ガツガツとして競争心が強い人はいないでしょうか?
もしそうであれば、その人とあなたは自分と同じ「負けず嫌い」の性質に引かれて出会ったのかもしれません。
「人間は自分と共通点の多い人に親近感を抱く」ことを心理学では「類似性の法則」といいます。
この「類似性の法則」には論文の題材にされているほど注目されており、以下のような実験を行われています。
“社会心理学者のニューカムは、新しく大学寮に入った17名の友人選択を追跡調査しました。入居して1週間後は、部屋が近いなどの物理的距離が近い人が友人に選ばれることが多かったのですが、入居して14週間後の調査では、態度や価値観が近い人が友人に選ばれていました。”
あなたのそばに負けず嫌いの知り合いがいるのも、この法則に沿っている可能性があります。
無意識に生きていると、つい「負けず嫌い心」が強い自分と同じ性質を持つ人と繋がりをもってしまうのかもしれません。
もし、その人と会うことで「負けず嫌い心」が刺激されてしまうのであれば。
まずは誘いを断るなど、少しずつ距離をおいてみるとよいかもしれません。
「心」と「空間」の距離で負けず嫌い心を対処!
非常に強い「負けず嫌い心」に悩む人は
・その基準を本当にクリアしたいか見極める
・負けず嫌い心を刺激する場所から離れる
というように「心」と「空間」の距離をおいて対処することで、負けず嫌いな自分とうまく付き合っていくことができるでしょう。
すぐには難しいかもしれませんので、少しずつ整えていきましょう。
「負けず嫌い心」とうまく付き合うことで、落ち着きのある毎日を得られることと思います。
参考文献
類似性の法則で信頼を得る〜似た者同士が引かれ合う心理学
https://www.google.co.jp/amp/s/makefri.jp/marketing/6416/%3famp=1