誰かに見下され続けていると、周囲に
「大丈夫？」
と心配されることがあります。
ほとんどの人はそこでその人に辛さや愚痴を話すことでしょう。
しかし、見下されサバイバーの方の中には、なぜか
「気にしてないよ！」
と言ってしまう人がいます。
しかし、その人に対する周りの扱いを見てみると
・容姿をなじられる
・無茶振りをされる
・普段の喋り方をバカにされる
と経験したことがない人からすれば心が苦しくなるような貶し。
自分なら気にしないなんてことできない。
しかし当人は怒っていないどころか気にしていないと言っている。
もしかして無理して言っているんじゃないのか…？
そう思うも、結局当人の心を開けてみなければ分からないので、それ以上どうすることもできません。
しかし、見下される人は本当に気にしていないのでしょうか？
「気にしていない」の本当
見下される人の「気にしていない」は2パターンあります。
・実は気にしてはいるが隠している
・気にしていることに気付けない、または後から気づく
1つ目は、自分が辛い思いをしていることを自覚しているものの、周りに伝えないということです。
それは、気にしていることを伝えることで余計に「見下し」が悪化するからです。
「いじられキャラ」も同様ですが、気にしていることを相手に伝えても、笑われたり辞めてくれない場合があります。
特に見下されサバイバーの方は、過去にこのような
「意志を伝えても相手が聞く耳を持ってくれない」
という経験を散々してきた方が多いのです。
そのため、関係の悪化を防ぐために気にしていないフリをするのです。
もう1つは「見下されて自分が辛い」と言う気持ちさえ気づけない場合。
もしくは、あとから「あぁ、あれって見下されていたのか…」
とようやく気付くパターンです。
見下されサバイバーの方の中には、どうしても
「イライラされてしまう素質」
をもってしまっている人がいます。
例えば、
・どうしても人より行動が遅い。
・どうしてもオドオドしてしまう。
・どうしても空気が読めない。
・落ち着きがない
・悪目立ちしてしまう
その中には先天的にしろ後天的にしろ、強く身についてしまっており変えようもないものもあります。
しかし、他人からすれば「私や周囲に出来ることができない」ので、その人の努力不足だと判断されやすいのです。
そのため、昔から人から強く当たられる環境が「当たり前」でした。
最初に「なんで私だけこんな扱いなの？」
と思ったとしても、それがどこへ行っても同じような扱いであるため、
「私は見下されるべきダメな人間なんだ」
という自己評価の下地が作られます。
そしてそんな経験を繰り返し続けた頃には、そんな扱いを受けていることを疑いもしません。
周囲の人も「哀れな人」「かわいそうな人」という思いを最初は持ちつつも、当人が何も言わない(=受け入れてしまっている)ので
「この人はそういう人なんだな」
と何も言わなくなっていきます。
ひどいと便乗して見下してきます。
それを見下されサバイバーの方は更に「これが自分の当然の評価なんだ」
と受け入れてしまっています。
周囲も何も指摘しない(できない)、自分でさえも気づかない。
そのため自他共に「気にしていない」と勘違いしてしまっているのです。
これだけでも辛いのですが、一番辛いのは気付いた時とその後です。
どこへ行っても見下され、バカにされる。
自分には信頼も人望もない。
でも、周りを見渡すと。
自分を見下した人は恋人やたくさんの人間関係に囲まれて幸せそうな日々を送っているのです。
俺/私はなんでこんな扱いを受けているんだ…？
また、別の問題に苦しんでカウンセリングに通った結果気づくこともあります。
この時、今まで固く固く蓋をして閉じ込めていた「怒り」「憎しみ」の感情と向き合うことになるのですが、これが大変厄介。
バカにされた怒り。
それなのにバチも当たらず幸せになったであろう知り合い達。
そして当時は
「気にしていない」
なんて言ってしまった自分。
ヘラヘラしてごまかしてしまった自分。
自分以外の人たちはもう覚えておらず怒りのぶつけようがないのです。
これからはどんどん気にしよう
もしあなたが、周囲から見下されたりバカにされたりすることを気にしているのであれば。
それなのに過去「気にしていない」と言ってしまったのであれば。
これからはどんどん気にしましょう。
もう自分の気持ちに蓋をする必要はありません。
といっても、気にしていることに気付いたからと無理に周りを巻き込む必要はありません。
周りに相談するのが難しいのであれば無理にする必要はありません。
しかし、自分に嘘をつくのはもう辞めましょう。
そもそも無理して「気にしていない」と言っている時点で「気にしている」のですから。
そして「気にしていない」と言ってしまった自分を恥じる必要はありません。
自分の気持ちに素直になることが「小さな自信」を身につける第一歩なのです。