よく漫画やアニメで、いじめっ子のようなキャラクターが気弱な子に
「おいお前、◯◯やれよ」
「やらなかったら、わかってるよな?」
と悪い行為を勧めるシーンがありますよね。
こういう「弱い人間に悪いことをさせる」行動は創作だけと思いきや、そんなことはありません。
見下されてしまう人は、どうしてもいいように利用されてしまいます。
その中でも、以下のような悪い行為を”させられて”しまうケースは実際にあります。
・テストのカンニングに協力させられる。
・ブラックジョークを無理やり言わされる
・陰口に付き合わされる
(相手をバカにする発言を”させられる“、同意“させられる”)
・その人の犯罪に加担させされる
ここで漫画なんかはその後主人公が超能力に目覚めたり心境の変化が起きることで、結局悪い行為をせずにその悪い人に折檻します。
しかし現実はそうはいかない。
結局、相手の脅しに屈してやってしまい、その後ずっと罪悪感で苦しめられてしまう。
あの時、あんなことをしていなければ。
一方で怒りも湧いてくる。
なんであんな人に屈してしまったんだろう。
あの時断っておけばよかった…。
少しでも反抗しておけば良かった…。
しかし過去は変えられず、ただただ後悔の感情ばかりが残るのです。
その一方、やらせた本人はそんなことをとうに忘れてしまっていることが多いのです。
周りに理解されない辛さ
これだけでも苦しいのですが、この「悪いことをさせられる」苦しみは更にあります。
それは、相手に相談しにくいということ。
相談する以上、やってしまったことをカミングアウトする必要がありますよね。
そのことに対して怒られるのをひどく恐れてしまうのです。
もちろん怒られても仕方がないことかもしれませんし、その人のことを本当に大事に思っているのであれば注意をせざる得ないことはあるでしょう。
それが、その人の将来にとって非常に大事なことだからです。
その注意や叱責自体を否定しているわけではありません。
ただその相談の中で誰もが
「断れなかった・抵抗できなかったその人の弱さ」
「脅された苦しみ」
を考慮してくれるとは限りません。
ただただ怒るだけ怒り、お前が悪い。次から気をつけろ。ちゃんと断れ。と言われて終わり。
特に具体的な対策や解決策を考えることもなし。
その言葉の裏には、どうしても自分に対する心配はなく、ただただ義憤を晴らしたい感情だけが透けて見えてしまう。
周囲にそういう人しかいないと、怒られるだけで相談する意味がないのです。
特に見下されサバイバーの方は、昔から相談をしても甘えているだとか、自分の責任だと言われてきた方が多いです。
そのため、「相談しても無駄」という考えが根底にあり一人で抱え込んでしまうのです。
こういう状況が続くと、気づいた時には取り返しのつかない事態に発展してしまうのです。
無理に立ち向かわない
こういったことを防ぐには、やはり根本である人付き合いやその環境を慎重に選ぶということです。
上述した相談できる人も探すことができればよいでしょう。
長年「見下されサバイバー」をやっていると、悪いことをさせる
「支配型の人間」
というがなんとなく付き合っていて分かるようになっていきます。
それをできるだけ早い段階で気付き、離れることが重要です。
もちろん、自らわざわざ近づいてきて共謀を図ろうとする人もいますので、その注意も必要です。
大事なのは、
「この前は断れず、悪いことに加担してしまった。だから次は断ろう。抵抗しよう」
と無理に立ち向かおうとしないことです。
そうしたい気持ちになるのは当然ですし、出来るのであればそうした方がよいでしょう。
しかしむやみに立ち向かってしまえば目をつけられ、余計大変なことになってしまいます。
そのため、周囲から情けないと思われても、立ち向かう以外の方法を考えることが大事なのだと思います。
その方が、これ以上悪いことを重ねてしまうよりよっぽど良いのではないでしょうか。