「濁流思考」に飲み込まれる毎日
見下される悩みを持つ人の中には、思考が止まらず頭の中がグチャグチャしていることで苦しんでいる人がいます。
理由は先天的なものなどもありますが、それ以外では幼い頃から色んな価値観や考えを否定されてきたことも一因となっていることでしょう。
その上、周りから「正しさ」を押し付けられてきたため、常に脳が「あれでもない…これでもない…」と
「正しさ探し」
をしてしまいます。
例えば
・あの時、皆批判してたけどあの人の行動は良かったのか?
・あの人のあの言動がムカつく…
・あの時、あういう行動をしていなければ….
というようなグルグル思考が頭の中に渦巻いているため、常に集中できない状態となります。
あまりにも頭の中がグチャグチャしているため、それを
「いやいや、ネガティブな思考はダメだ!」
「こういう考えだからうまくいかないんだ!」
と自分の性格を非難し、なんとか止めようと努力する。
しかし、それは大抵うまくいきません。
それはいわば思考という川が常に濁流で、共に流れる木の枝や破片を取り除こうと必死になっている状況。
強い濁流が流れているまま生身で飛び込んでも、飲み込まれていくだけだからです。
そんな思考はまさに「濁流思考」といえるかもしれません。
確かに、たくさん考えることは悪いことではありません。
しかし、考えすぎしまうと目の前のことに集中できず、それが原因で人を怒らせてしまい更なる「正しさ探し」の悪循環を生み出してしまうだけです。
では、「濁流思考」に対処していくにはどうすればよいでしょうか?
濁流はとにかく流す
脳内に渦巻く「濁流思考」に対処してく方法。
それは、飲み込まれそうになる前に
思考から一歩距離をおいてスルーしていく
ということです。
実際どのように距離を置いていくのか?
それは
「自分の思考を遠くから見る技術」
を身につけることです。
今考えている思考を濁流の川とし、その川の目の前にいる自分をイメージしてみてください。
後一歩で「濁流思考」に飲み込まれそうな立ち位置です。
そこから大きく一歩後ろに下がってみてください。(脳内で)
そして最後は濁流のそばにある、高度で頑丈な高台に登り、その思考が流れていく様子をぼんやりと見つめていてください。
ここで重要なのは、思考をなんとかしようとしないということです。
ただただ見つめていくだけ。
そうすると、思考から離れることで、少しだけ不安な感情が落ち着くかと思います。
40年以上前からある技術
今紹介した「思考を遠くから見る技術」は、私独自のものではありません。
心理学の世界やビジネスの世界でも
「メタ思考(メタ認知)」
という言い方で、色々な場所で使われ推奨されています。
また、1979年マサチューセッツ大学医学大学院教授であるジョン・カバット・ジンが開発した
「マインドフルネス瞑想」
もメタ思考を使用した瞑想法となっています
思考を俯瞰する方法は、昔から使われている強力な方法なのです。
ただ、瞑想は時間や場所をとってやる必要があります。
また、やろうと思っても疲れていたり、なかなかやる気が起きない時もありますよね。
一方で今回紹介した「濁流思考法」は、全て脳内で完結するので、仕事の合間や体力がない時などにも行うことができます。
まずは気づくことが大事
思考を遠くから見るようになるには、まず
飲み込まれる前に気づく
ことが第一歩となっていきます。
一度飲み込まれてしまうと抜け出すのが難しくなっていくからです。
そのためには、何回でも訓練してみることも大事となっていきます。
思考から遠くから見る技術を身につけた時、
あなたの日常の苦しみは少しずつ解放されていくのではないでしょうか。
参考文献
メタ認知とマインドフルネス-東京マインドフルネスセンター