言わなきゃわからないの真実

ハッキリ言えなくて怒られる

見下される人の中には「自分の想いを伝えられない」という人がいます。

その際に必ずといっていいほど言われる言葉があります。

「言わなきゃ分からない」

あなたも、このようなことを言われたことが何度もあるのではないでしょうか。

ハッキリと言えない人はこの社会では肩身の狭い想いをしてしまいます。

職場や学校では陰口を言われ、ひどい時にはいじめられてしまう。

それを話せば、共感されるものの

「言い返さないあなたも悪い」

と言われてしまう。

映画を見ても、最初はオドオドしていたキャラクターが、クライマックスになって自分の思いをしっかり伝えるような急成長を遂げる。

そんな姿を見て劣等感を感じてしまう…。

確かに、自分の思いを伝えることはコミュニケーションにとって必要な要素です。

言えるならそれに越したことはないですよね。

でも、どうしても言えない。

怖い。

なんでハッキリ言えないのだろう…。

そんな自分の短所を充分に分かりきっているところに「言わなきゃ分からない」と言われることは傷口に塩を塗られるようなものです。

この記事では、そんな「言わなきゃ分からない」という言葉の真実についてお伝えいたします。

「言わなきゃ分からない」に必要な条件

「言わなきゃ分からない」という言葉。

そのように言うのであれば

発言を冷静に受け止めることのできる環境

を整える努力が必要ではないでしょうか。

仮にそこまでしないとしても

「自分はそのような環境を作れているのだろうか」

と一度確認してみるべきではないでしょうか。

ハッキリ言うことが苦手な人にとって

「言わなければ分からない」

とは、とても残酷な言葉なものです。

相手が言い返す前に、それ以上の怒声で自分の意見を上書きするような喧嘩を繰り返す家族。

裏では子供のいる前で夫の愚痴を自分の親や娘に嬉しそうに話す親。

そんな環境に身を置けば、言いたいことも言えなくなるのはなんらおかしいことではありません。

そういう人に限って、勇気を出してハッキリ言っても

「こうすればいいじゃん。(なんでしないの?)」

「そんなことで悩んでるの?」

と、相手の気持ちを一切考えず切り捨てるような言い方をされてしまうのがほとんどです。

言っても言わなくても最後は傷つき、言い返すことのできない人の行動や自信を簡単に縛り付けてしまう。

そして真面目な方であるほど「ハッキリ言わなきゃダメなんだ」と自分を責めてしまう。

更には「確かにこんなことで悩むなんて情けないな」と、自分の悩みまで否定してしまう。

一見正論に見える「言わなきゃ分からない」という言葉。

それは、充分に理解し苦しんでいる人を知らず知らずのうちに追い詰めてしまっているのです。

ハッキリ言うのだって限界がある

あなたに「ハッキリ言いなさい」「言わなきゃ分からない」と言う人はどのような人でしょうか?

もしかしたら、その人なりに考えて言っている場合もある可能性もありますよね。

ただ、一方で相手の気持ちを1秒たりとも考えずに簡単に言ってしまう人。

後者の場合は、上辺だけの正論を振りかざし、イライラをぶつけているだけの可能性があります。

そんな一見正論に聞こえる言葉には

「私は、私とあなた位の立場の差であれば、ハッキリ言える。周りもちゃんと言える。だからそれが出来ないあなたはダメだ。」

という意味が込められています。

つまり

「あなたの「ハッキリ言う」レベルを私や世間に合わせなさい」

ということです。

それが軽く使われる「言わなきゃ分からない」の真実なのです。

そんな簡単に「言わなきゃわからない」を言えてしまう人。

その人たちは、果たして上司や権力の強い人・怖い人に対しあなたと同じ態度を取れるのでしょうか?

もちろん、中にはリスクを覚悟で文句を言う方もいるでしょう。

一方で、その人の前では黙って指示を聞きつつも、裏で陰口を叩く人もいます。

これは前者がよくて、後者が悪いということではありません。

結局人間は、自分より立場の高い人に「ハッキリ言う」のは怖いということ。

ハッキリ言うことが怖いのは、あなただけではないのです。

「ハッキリ言える」はただの能力の1つ

社会では「ハッキリ言える」力を世間のレベルに合わせるように求めています。

よって「ハッキリ言わないと人間としてダメだ」という価値観に縛られ続け苦しんでいる方も多いと思います。

先に述べておきますが、これは自分のミスや報告の義務のある事柄を言わなくても良いというお話ではありません。

ただ、「戦場」のような環境で育ってきた人が、自分の意思を伝えることが苦手なのは当然のことです。

だからまずは、「ハッキリ言わない人はダメだ」という価値観から解放される必要があります。

そして、それには1つの視点が必要となっていきます。

その視点とは

ハッキリ言えるというのは、たくさんある「強さ」の1つであるに過ぎない

というものです。

世の中には色々な基準の強さがありますよね。

スポーツやゲーム、テストの点数、経済力、学歴…

強さで競うものは無限にあります。

でも、スポーツやゲームを何度やっても上手くならない人っていますよね。

それは、常識のある人ならば

「誰にだって苦手なことの1つや2つはあるでしょう」

と言うと思います。

また勉強が出来なかったり学歴が低くても、他の能力でカバーして社会を生き抜いている人もいます。

しかし「言う」という行為は違う。

口や舌を動かすことができるのであれば、出来ない人はいないと思われる。

更に社会では

「コミュニケーション能力」

が重要視されているがために、言えないことができない相手を責めることが正当化されている。

だから、どんな理由があれど「ハッキリ言えない」ことは「悪い」ことなのだと言われてしまう。

このことから、「ハッキリ言う」ことが何よりも重要視されているため、苦しめられているのではないでしょうか。

でもスポーツやゲームのように「ハッキリ言う」ことを何度やっても出来ない人がいたっておかしくないですよね。

それをあなたは、自分の短所に真剣に立ち向かいその性格を治そうとした。

それでも出来なかったのであれば、確かに苦手なのかもしれません。

でもそれは、無数にある能力のうち「ハッキリ言う」という行為がめっぽうに苦手だっただけ。

スポーツや勉強ができない人と何も変わりはないのです。

もし自分の意思を伝えることができず自己否定感が強くなったときは、このような視点を持ってみてください。

辛い人生を今日まで生き続けてきた勇敢なあなたにも苦手なことはあるのですから。

「言わなきゃ分からない」の真実