見下されるのが辛いのに見下す自分
見下されることで悩んでいる人の中で
「どうしても人を見下してしまう」
と言う悩みをもっている人がいます。
人の気にしていることをバカにしてしまう。
下手な作品を見ると笑ってしまう
自分が見下されるととても腹が立つのに…。
見下すことはよくないことだ。
それは何より見下されてきた自分が一番身に染みて分かっている。
なのに…
一見矛盾している悩みですが、見下される性質と見下してしまう性質を持っている人は多いのです。
見下しあいだった半生
あなたがどうしても見下してしまう性格であるのは
幼い頃に見下し合う環境にいたから
というのが原因の1つです。
例えば
家では、親がもう一方の親より立場が強く、顔を合わせれば常に喧嘩。
また裏では影口を言っていた。
口を開けば
「男はバカ」「女は弱い」
など、生まれつきどうしようもない性別の差別をしていた。
学校ではテストの点の差で友人と過剰に競い、点数が悪い人を徹底的にバカにしていた。
それ以外でも、クラスの中で「イケている人」が「イケていない人」を影で差別していた。
そういう環境の中で生きていかなければいけなかった。
自分が言われないように、時には相手を蹴落とさなければならなかった。
常にあなたの人間関係は
「楽しさ」
よりも
「苦しさ」
が勝っていたのではないでしょうか。
そしてあなたは「見下される」ことの方が多かった。
それを10年生きたなら10年分、30年であれば30年分
感情の風船がパンパンで、今にも破裂しそうなくらい溜め込んでしまっている。
そんな風船を抱えているその状況は、傍目から見たら普通に見えても、あなたの心は常に焦ってしまっているのです。
人は見下さないことができない
人はどうあがいても、見下さないことができない生き物です。
それは見下されることに悩んでいる人もそうではないでしょうか。
自分より容姿がよくない人を見れば安心してしまう。
仕事の能力が低い人がいると軽く見てしまう。
人の失敗を見ると、心配すると同時に少し安心する。
人間はそういう部分が多かれ少なかれあります。
それは、自分の尊厳を守るための人間の仕組みなのかもしれません。
大事なのはその感情を表に出すか出さないか。
またはどのように出すかに関して出来るだけ注意することではないでしょうか。
ここで、何の葛藤もなく見下してしまうことができれば何も悩むことはないのでしょう。
でも真面目な人は
「見下してはいけない」ということは十二分に理解しており、
それなのに「見下してしまう」という
人間関係において非常に辛い悩みを持っています。
それは見下しあいの人生を歩んできた故にその尊厳を守る仕組みが人一倍強く働いてしまうからなのです。
見下さないことよりも大切なこと
あなたはきっと真面目な方です。
見下す心を持った瞬間
「見下してはいけない！」
と強く心の中で言い聞かせてしまう癖があるかもしれません。
でも見下し合う「戦場」に生きたあなたは感情の風船がパンパンです。
それは「見下さなければやっていられない」状況でストレスがかなり溜まっていることだろうと思います。
だから、大事なのは
「見下さない」ことよりも
心に余裕が持てる環境を作ること
です。
例えば、言い争いが絶えないニュースのコメント欄や、炎上事件に対するSNSの批判を見るのをやめる。
仲は悪くない友人や家族でも
「この人、常に愚痴ばかり言うな」
「自分の実績をやたら誇示してくるな」
と思ったら少し距離を置いてみる。
ここで「全く見ない」とか「全く会わない」を実践しようと、自分を縛り付けてしまうと逆効果です。
だから「適度」に見たり会ったりする回数を自分で考えて調整してみるといいでしょう。
環境を整えて、心に余裕が生まれれば「見下す心」は少しずつ減っていくことと思います。
見下してしまうことに悩んでいるあなたへ
「見下してしまう」ことに悩んでいるあなたは、自分が「性格が悪い」と思っているかもしれません。
確かに、人は見下さないことができない生き物です。
でも世の中には平然と何の罪悪感も持たず人を見下し、時間が経つと綺麗に忘れてしまう人がいます。
そのような人たちに比べれば、あなたは全然「性格が良い」のではないでしょうか。