周囲の人からいじられる「いじられキャラ」。
学校や職場にそのような立ち位置の人がいます。
あなたの周りにもおられるでしょうか?
もしかしたら、あなたがまさに「いじられキャラ」なのかもしれません。
私自身、長年に渡り「いじられキャラ」を多く経験してきました。
そういった経験から、いじられキャラに対する世間のイメージを聞くと、「何か違うな」と感じることがあります。
今回は、そんないじられキャラの説明と、よくある「誤解」を紹介します。
そもそもいじられキャラとは?
まず、いじられキャラとは何かについて振り返ってみましょう。
いじられキャラとは、人間関係において何かと「いじられる」立ち位置の人を指します。
ここでいう「いじられる」とは
・無茶振りをされる
・バカにされる
・話のネタにされる
といった行為を相手からされることです。
例えば、学校のイケている人たち(最近の言い方をすると陽キャ)が、クラスメイトをいじることで教室が笑いに包まれるなんてこともあったのではないでしょうか。
「なんか面白いこと言えよ」
と無茶振りされ、とりあえずなんか言ってみる。
困惑しつつ何か言ってみる。
その結果、面白かろうが白けようが陽キャの人がツッコミを入れる。
そんなコントを周囲が笑い、場が和む。
常にこういった立場にいる人はまさに「いじられキャラ」といえるでしょう。
いじられキャラのよくある特徴に対する誤解
いじられキャラは、人が集まっている場所ではよく見かけるような存在です。
特に、テレビなんかはバラエティ番組で他の出演者からいじられることでお金をもらっている芸能人がいますよね。
しかし、その影響で多くの人がイメージしている「いじられキャラ」と、実際の人がかけ離れている場合があります。
そこでいじられキャラによくある誤解をご紹介します。
1.いじられキャラはムードメーカー
いじられキャラは、ムードメーカーのような役割を持っていることもあります。
先ほどもお話しした通り、場を和ませたり盛り上げたりしてくれるからです。
しかし一方で、それは「いじめ」に近いんじゃないかと思うような行為をされている人もいます。
容姿や言動をいじられるといったように自尊心を傷つけられる。
趣味をバカにされたり、その趣味に関する物を雑に扱われる。
それでも、場を冷たくしない等にニコニコしている。
そんな状況ではムードなどよくなるはずもなく、殺伐とした空気になっている。
そのため、いじられキャラによって常に場が和むとは限らないのです。
2.いじられキャラはノリがいい
いじられキャラがノリが良いと言われています。
確かにそのような人もいます。
中には「ノリ良く」演じている人もいるでしょう。
実際、「いじられ役」として皆に注目されれば嬉しいこともあります。
しかし、中にはノリが悪くて
「なんだよ。つまんねぇな」
と期待外れと言われるのが嫌で仕方なくノリよくしていることもあります。
最初の例で挙げれば、教室の全員が注目している中でつまらない態度は取りにくいですよね。
そのため、多少面倒くさくてもノリよくする他はないのです。
このことから、正確には「ノリがよい」というより「ノリを良くするしかない」人もいるのです。
3.いじられキャラは頭の回転が速い
頭の回転が速いとは限りません。
こう思われている理由として、いじられキャラは
・空気を読める
・コミュ力が高い
からと考えられているからだそうです。
しかし、空気を読めなかったり、コミュ力が低く周囲に馴染めない人がなんとか孤立を阻止するために″わざと″いじられる立ち位置になってしまうこともあります。
これは所謂「セルフいじられキャラ」というものです。
このように、コンプレックスを抱えたゆえに自らいじられキャラになってしまうこともあるのです。
4.いじられキャラは愛されている。
こちらは半分本当で半分嘘です。
なぜなら、いじられキャラのタイプは2つあるからです。
それは
「愛され型」と「嫌われ型」
です。
詳しくはこの記事で解説しています。
確かに「愛され型」のいじられキャラであれば、周囲の人も何だかんだその人に信頼をおいているのかもしれません。
しかし、その一方で人から疎まれる上にバカにされ辛い思いをしている「嫌われ型」もいます。
上記の記事でも説明していますが、世間の多くは「いじられキャラ」に対してお笑い芸人の出川哲郎さんをイメージすることが多いでしょう。
しかし、それはあくまで出川さんが「愛され型」だからです。
「嫌われ型」で悩んでいる方がメディアに出ることは少ないため、その存在が認知されにくいのです。
5.いじられキャラは優しい
これも関係はありません。
いや、むやみやたらといじる人よりは優しいのかもしれません(苦笑)
しかし、普段いじられたり見下されたりするストレスで、自分よりさらに下の立場の人に同じことをしてしまう人もいます。
それはさすがに優しいと言いづらいですよね。
もちろん、自己犠牲的な考え方の方や気を遣うことの出来る方もいます。
中には、優しくない自分を嫌悪してしまう人もいるでしょう。
そのため「優しくない」なんてことはありません。
でも、全員が全員そうとは限らないのです。
いじられキャラは辛い思いをしている人もいる
今のような誤解はなんとなく持っている人も多いですよね。
でも当然ですが「いじられキャラ」だって人間です。
もちろん、いじられることで自己顕示欲や承認欲求が満たされて良い気持ちになる人もいるでしょう。
しかし、自分に大切にしている趣味をバカにされたら辛いですし、ノリをよくするのにも労力がかかります。
しかし、孤立したり人の嫌な顔を見るのが怖く、苦しみを一人で抱えている人も多いのです。
また、上述したような行き過ぎた行為もありますが、やはり「いじめ」と判断しにくいため問題視されにくい。
一見、その場にいる全員を笑わせてくれるような「いじられキャラ」。
しかし、それがその人自身の幸せに繋がっているとは限らないのです。
いじられキャラは誤解されがち
いかがでしたでしょうか?
もしかすると、あなた自身「いじられキャラってこういう誤解されているよな」と感じたかもしれません。
しかし、人間はどうしても自分と関係ない立場を理解しようとするのが苦手な生き物。
そのため、辛い時は遠回しにでも周囲に上記の誤解を伝えることが必要です。
そうすることで「いじられキャラ」の辛さが認知されるのではないでしょうか。